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日本にも「生理の貧困」5人に1人の若者が「金銭的理由で生理用品を買うのに苦労した」

 #みんなの生理 は日本における“生理の貧困”の実態を明らかにすべく、SNSで協力を呼びかけてオンラインアンケート調査を実施しました。「日本国内の高校、短期大学、四年制大学、大学院、専門・専修学校などに在籍している方で、過去1年間で生理を経験した方」を対象にした調査結果(n=671、3月2日時点)からは、過去1年で生理用品を入手するために他のものを我慢するなど、金銭的理由で生理用品の入手に苦労したことがある若者の割合が20.1%にのぼる実態が明らかになりました。また、過去1年以内に金銭的な理由で生理用品でないものを使ったと答えた割合は27.1%生理用品を交換する頻度を減らしたと答えた割合は37.0%でした。

 「生理の貧困」とは、十分に生理用品や生理に関する教育にアクセスできない状態にあることを指します。イギリスでは14歳から21歳の生理のある人の10%が生理用品を買えないという状況にあり、この数字はコロナ禍で増加傾向にあります(Plan International UK、 2017, 2020)。アメリカでは10代の61%が十分な生理用品がないために4時間以上同じ使い捨ての生理用品を使用し続けたことがあると答えています(Thinx & PERIOD, 2019)。

2020年11月にはスコットランドが生理用品を無償化したり、今年2月にはフランスが全学生に生理用品を無償で提供したりと、”生理の貧困”への対策が進んでいます。今回の調査では日本でもそのような施策の必要性が明らかになりました。

【調査の目的・手法】


 今回の調査は日本在住の若者の生理用品の入手状況、生理による機会損失の現状を明らかにすることを目的として実施しました。「日本国内の高校、短期大学、四年制大学、大学院、専門・専修学校などに在籍している方で、過去1年間で生理を経験した方」を対象に2月17日からSNSで呼びかけ、Google Formsを利用したオンラインアンケート調査を行いました。※調査は期限を設けず継続中です。

【結果の概要】 ※いずれも3月2日時点


1.生理による経済的負担


 過去1年で、金銭的理由により生理用品の入手に苦労したことがある若者が約5人に1人の割合で存在することが分かりました。また、過去1年以内に金銭的な理由で生理用品でないものを使ったと答えた割合は27.1%生理用品を交換する頻度を減らしたと答えた割合は37.0%でした。自由記述欄においても生理の経済的負担を訴える声は多くあり、下記のような声が寄せられました。

生理用品が全体的に値段が少し高くて、もう少し低くしてもらえたらその分を他の生活費に回せるので、値段を低くしてほしい。
月経困難症なので、定期的に産婦人科に行って薬を処方してもらっています。1回あたり診療代と薬代合わせて約2000円を年3回支払うのは、母子家庭で学費を自分で払っている大学生には経済的に厳しいです。

2.生理の学校活動への影響


 過去1年以内で、生理を原因として学校を欠席・早退・遅刻した若者の割合は48.7%、部活や体育など運動を含む活動を休んだ割合は47.4%にのぼりました。また、重要なイベントや大会などへの参加を諦めた割合は20.0%と、生理によって学校生活に十二分に参加できていない現状が明らかになりました。

主な原因として「生理痛など生理による体調不良」があげられています。生理痛や生理による体調不良を軽減するのに有効とされるピルについては、服用したい・服用しているという声が自由記述欄で多く寄せられましたが、下記のように、金銭的負担や偏見によってピルの入手が困難な実態が分かりました。 

生理痛がひどいために低用量ピルを服用しているが、金銭的な負担が重い。
収入減のためピルを買うことができない。
ピルは避妊のために使うものというイメージが定着していてピルを使うことを周りに相談しにくかった。
低用量ピルを飲み始めたら、親から偏見を持たれた。

3.新型コロナウイルスによる生理用品入手への影響


 「新型コロナウイルスの影響で、生理用品を入手するのに苦労したことがある」と答えた若者の割合は24.6%でした。理由として最も多かった回答が「品薄で入手困難だったから」という回答で、次いで「収入が減ったから」「他の支出が増えたから」という回答が多くありました。他にも、外出の自粛で買い物に行く機会が制限されたという回答や、時短営業要請でドラッグストアが営業しておらず生理用品を入手できなかったという回答もありました。

4.生理のタブー視と情報の不足


 自由記述欄には生理のタブー視生理に関する情報の不足による困難の声が多数寄せられました。生理のタブー視については、”生理は隠すべきもの”という風潮による苦しみの声が寄せられました。

生理を隠さなければならない風潮に困っています。生理休暇を抵抗なく使えるような地盤が整って欲しいです。
男性ばかりの研究室なので、体調が悪いときでも生理であることを隠して男性と同じように研究活動せざるを得ず、身体への負担が大きい。

 

 また、下記のように生理に関する情報が不足しているために適切なケアにアクセスできていない現状が明らかになりました。

ひどい生理痛がある時は婦人科を受診すべき、ということはよく目にするが、人と比べることが難しいため一体何を基準に受診すべきか正直わからない。
低用量ピルの服用に関して分からないことが多い。
生理痛が重いのか比較対象がなくわからなかった。
出血量が多いので病院に行きたいのですが、親の理解が無く病院に行けていません。

 

 これらの結果から、今後”生理の貧困“をはじめ、生理による機会損失や生理のタブー視、生理に関する情報の不足などの課題に取り組む必要性があると考えられます。


【団体紹介】

 任意団体#みんなの生理は生理用品を軽減税率対象に!オンライン署名キャンペーンから始まった団体です。「全ての人の生理に関するニーズが満たされどんな人も自分らしく暮らせる社会」をビジョンにかかげ、生理にまつわるあらゆる不平等をなくすことをミッションに活動をしています。

 生理用品を軽減税率対象にする活動だけでなく、生理について話す場の創出、生理に関する情報の収集と発信、学校での生理用品設置に向けた活動をしています。今後は行政と連携し、より広範囲に生理のサポートが行き届くような社会の仕組みづくりに向けて活動をしたいと考えています。公共施設や学校に生理用品を設置する活動等で協働いただける自治体・企業様を募集しております。


問い合わせ先:#みんなの生理 共同代表 谷口歩実・福井みのりminnanoseiri@gmail.com

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